夫の不倫が発覚しても離婚しない人生を選ぶメリット・デメリット

日本では3組に1組は離婚しているという統計もある通り、今や離婚は珍しい事ではありません。
離婚の原因というとイメージするのは夫の浮気・不倫。

不倫は、夫婦間で最も大きな裏切りとなりますよね。
そのため、そのような行為をされたら、離婚の道を選ぶ人が多いのも当然です。
しかし離婚するとなると相当なエネルギーが必要となります。
様々なデメリットがあることから夫が浮気・不倫をしても離婚しない夫婦も多くいます。

ここでは、夫の不倫が発覚しても、離婚しない人生を選んだ時のメリットやデメリット、離婚しなかった後の人生で意識すべき事をご紹介します。




夫の不倫が発覚しても離婚しないメリット

まずは、浮気・不倫した夫と離婚しないメリットから解説します。

 ①離婚にまつわる雑務をしなくて良い
 ②金銭的・経済的な余裕がある
 ③パートナーを失わずに済む
 ④子供から父親を奪わなくて済む
 ⑤子供に精神的な負担をかけなくて済む
 ⑥世間体を守れる
 ⑦家事・育児を分担できる
 ⑧夫よりも優位に立てる


離婚にまつわる雑務がない

もしも離婚する事を選んだ場合、様々な面倒な雑務が発生します。
離婚に向けての話し合いから始まり、うまく進まなければ離婚調停・離婚訴訟へとすすみます。
また、財産分与・慰謝料の請求、子供がいる場合は、親権・養育費・面会回数などの取り決め・転校の手続き、離婚によって発生する様々な手続き・書類提出、引越しの準備・新生活の準備などなど・・

ギスギスした空気の中、これらの膨大な雑務と決め事をしなければなりません。
仕事などをしているようであれば、体力的にも精神的にもかなりの負担となるでしょう。
もちろん、離婚すると決めたのであればこのような雑務は仕方のない事ではありますが、離婚しない事を選択すればこのような手間が全て省けます。

金銭的・経済的な余裕がある

日本では共働きの夫婦が増えているとはいえ、女性は出産すれば必然的に仕事を休まざるをえません。
産休や育休を使える人はほんの一握りで、退職する人が多いのが現状です。
そうなると夫が家族を養う事になります。
一度退職して、子供を育てながら仕事を探すのはとても大変な事。
もし夫が高級取りだった場合は、離婚する事で生活が変わってしまいます。
もちろん夫が悪いので、慰謝料や養育費がもらえたとしても、経済的な面では苦労する可能性が高くなります。
離婚しなければとりあえずは生活していく保証はあるので、今までの生活水準を下げずに生活ができます。
そのため、離婚をしないというケースは多いものです。

パートナーを失わずに済む

浮気・不倫をされて辛い思いをしても、離婚をしなければ夫を失わずには済みます。
夫は、結婚し苦楽を共にしてきた相手であり自分の1番の理解者でもあります。
別れて1人になる事で、寂しい思いや辛い思いをする可能性もありますし、生涯1人となってしまうかもしれません。
将来的な不安も失わずに済みます。
また子供がいるようであれば、1人では対処するのが難しい問題や経済面の不安なども出てきます。
同じ屋根のしたに夫がいるのは心強い事でしょう。

子供から父親を奪わなくて済む

離婚しない理由が「子供のため」と挙げる人も多くいます。
子供がいる場合、離婚しなければ子供から父親を奪わなくてすみます。
特に子供が小さい場合悩む方も多いでしょう。
ただし、子供もある程度大きくなってくれば親が不仲かどうかは見極められるもの。
家庭が円満ではなく、家庭内別居状態であったりお互いに無視しているような状況であれば、子供にとって逆効果という場合もあります。

子供に精神的な負担をかけなくて済む

夫婦不仲なところや、喧嘩ばかりの夫婦関係を見せるのも子供には良くありませんが、離婚せず一緒に暮らしていれば、それぞれからでも親の愛情を受け取る事ができます。
離婚すると、名字が変わったり転校する必要があったり、経済面でも大きなストレスを与えてしまう事が出てくるため、子供の成長に影響を与えてしまうかもしれません。
また、両親が揃って参加するような行事やイベントに片親しかいない場合辛い思いをさせてしまったり、家族でいくようなレストランや遊び場に行った時に周りの父親の姿を見て悲しい思いをさせてしまうかもしれません。
離婚しなければ、そのような精神的な負担を子供にかけなくて済みます。

世間体を守れる

結婚式で多くの友人や会社関係者、親などに祝福してもらった過去がある以上、簡単に離婚できないと考える人も多いです。
特に子供がいある場合は、少なからず偏見を受けてしまう事もあります。
日本では離婚はあまり良くないことと捉えられがちなので、離婚せず世間体を守りたいという思いにも頷けます。

家事・育児を分担できる

子供がいる場合、離婚すると、家事・育児・仕事を全て1人で行わなければなりません。
もちろん、母親1人で全てこないしている人もいますし、できない事はないでしょう。
しかし、1日も休む事なく全てを1人でやるのは、生半可な事ではなく、非常に大変であり苦労することになります。
子供と一緒に遊んであげたいと思っても、思い通りにいかなかったりしてあげたい事を満足にできずストレスが溜まったり、苦しい思いをする事もあるでしょう。

夫よりも優位に立てる

浮気・不倫をした事に負い目に感じ、妻の意見に耳を傾けたり家事育児を積極的に手伝ってくれたりするようになる可能性があります。
今までどちらかというと夫の意見が強かったり、中々妻の意見が聞き入れられなかった関係であれば、逆点する事もあるでしょう。



夫の不倫が発覚しても離婚しないデメリット

では夫に不倫されても離婚せず、生活を続けた場合どのようなデメリットがあるのでしょうか。

 ①精神的苦痛が続く
 ②不倫しても許されると勘違いされてしまう
 ③子供に悪影響を及ぼす事がある
 ④信頼できなくなりつい思い出してしまう
 ⑤仮面夫婦に陥りやすい


精神的苦痛が続く

上記で挙げたメリットは、浮気された妻の気持ちは一番に考えられてはいません。
裏切られて精神的に辛いのは妻なので、ぎこちない夫婦関係になってしまうのは仕方ありません。
その気持ちは中々解消されるものではないので、離婚しないで一緒にいると、不倫されたという精神的ダメージを抱えたまま生活を続けていかなければなりません。
無理やりつくろったり、外では仲の良い夫婦を演じたりしなければなりません。
ただし、旦那のその後の態度次第では妻の気持ちが晴れる事も。
自分の気持ちとどう折り合いをつけるかがポイントです。

不倫しても許されると勘違いされてしまう

浮気・不倫しても離婚せずに許してしまうと、甘く見られてしまう可能性があります。
不倫しても許されると勘違いして、隙があればまた不倫しようと思うかもしれません。
不倫に限らず、何をしても許されると思い上がってしまうケースもあるため、ペナルティをつけるなど何か対策をしっかりしておく必要があります。

子供に悪影響を及ぼす事がある

もし子供がいるようであれば、上記のようなぎこちない夫婦関係や、精神的に辛い姿を子供に見せ続けてしまいます。
夫婦の仲が悪かったり、喧嘩が絶えないような夫婦の家庭にいる子供は、心に傷を負いやすかったり人の顔色を伺ったりするようになってしまう傾向にあります。
また、夫へのイライラを子供に向けてしまうという母親も少なくありません。
夫婦仲が悪く、家庭環境が悪くなってしまうのならば、離婚した方が子供の精神面に悪い影響を与えずに済むケースもあります。

信頼できなくなりつい思い出してしまう

離婚しなくても、浮気・不倫されると相手を信頼できなくなってしまいますよね。
不倫は大きな裏切り行為であり、今まで築き上げてきた信頼関係が一気に無くなります。
夫に対して疑心暗鬼になりやすくなり、ちょっとした事でも不安になったり疑ってしまうでしょう。
飲み会や、休日出勤・出張であっても、もしかしたら本当は浮気しているのではないかと疑う気持ちが出てきてしまう。
疑う気持ちと同時に不倫が発覚した時などの辛い記憶が蘇る事もあり、傷が癒えず中々前を向けない状態が続く可能性があります。

仮面夫婦状態に陥りやすい

信頼は時間をかけて積み上げていくもの。
一度失った信頼は、簡単には戻りません。
離婚せずに一緒に生活を共にしても、信頼を回復するには相当の時間が必要です。
信頼が戻らず夫婦関係が修復できないまま仮面夫婦になってしまうパターンも。

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離婚しなくても慰謝料を請求できる?

浮気・不倫されて離婚しなかった場合に気になるのが慰謝料問題。
離婚しなかった場合は、「もらえないの?」と疑問が湧きますよね。

しかし、慰謝料とは不倫によって負った精神的ダメージに対して請求できるものなので、離婚するしないに関わらず精神的なダメージを負ったと認められれば不倫相手への請求は可能となります。
ただし、離婚する場合に比べて慰謝料が少なくなりやすいとされています。

不貞行為が原因で別居や離婚となった場合の慰謝料相場は200~300万円。
離婚しない場合の慰謝料相場は50万円〜200万円。

また離婚しないのに慰謝料を請求する場合にはいくつかの条件があります。


①不倫相手は夫を既婚者だと認識している
②不倫していた事や不倫相手を知ってから3年以内
③不倫によって円満だった婚姻関係が壊れた



不倫相手が夫を既婚者だと認識している

もし夫が既婚者である事を隠して不倫していた場合には、不倫相手への慰謝料請求は難しくなります。

不倫していた事や不倫相手を知ってから3年以内

3年が経過していると時効となってしまうため注意しなければなりません。

不倫によって円満だった婚姻関係が壊れた

元々不仲であり不倫が原因で不仲になったわけではない場合には、慰謝料請求が認められないケースもあります。
不倫によって権利の侵害を受けたという事でなければ慰謝料の請求はできません。


◎不倫相手に対して慰謝料請求するためには、これら条件に全てにあてはまる必要があります。


離婚しないと決めたら意識すべき8つの

離婚しないと決めたなら、その後の人生を少しでも良いものにしていくために、夫婦お互いに努力が必要です。
裏切られたのに努力するなんて割に合いませんよね。
ただ、今後の自分の人生をどう過ごしていくかは自分で決められます。
一度しかない人生、前向きに生きていくためにも以下の8つの事を意識してみましょう。


①自分の気持ちに整理をつける
②今後についてしっかり話し合う
③腹が立っていても少しの優しさを
④いつでも離婚できるよう資産を準備しておく
⑤子供がいる場合は家族としての関係を大事にする
⑥少しの時間でもしっかり夫婦の会話をする
⑦ルールを決める



 

自分の気持ちに整理をつける

離婚をしないと決めたら、まずは不倫されて傷ついた自分の心をケアし、気持ちに整理をつける事が大切です。
1人で考え込んでしまうと、ネガティブな感情になったり、落ち込んでしまうため、家族や信頼できる友人などに話を聞いてもらい、辛い気持ちなどを受け止めてもらうだけでも違います。
焦ったり急がなくても大丈夫です。
時間がかかっても良いのでゆっくりと自分の気持ちと向き合い、自分の気持ちを整理する事によって、ダメージを少しづつ軽減できるようになっていくでしょう。
不倫が発覚してすぐのタイミングでは怒りや悲しみで感情的になってしまい、落ち着いて話し合いもできなく修復不可能な状態になってしまう事もあります。
もし離婚せず、夫との関係修復へ向けた話し合いをするのならば、少し時間や距離をおいて自分の気持ちがある程度整理されてから話し合うのが良いでしょう。

今後についてしっかり話し合う

離婚せず夫との関係修復を望む場合は、不倫をした経緯などについてとことん話し合うようにしましょう。
確認し納得しておかないと、後から気になって、悶々としたりイライラしてしまったりします。
責めたい気持ちは重々承知ですが、不倫を責め立てるような事はせず、冷静に話し合うことが大切です。
また、不倫した原因に夫婦関係の不満などがあった場合もあります。
もし至らない部分が自分にもあったならば、素直に受け止めて反省する事も必要になってきます。
ただし、不満があったとしても不倫が正当化されるわけではもちろんありません。
夫が開き直ったり、謝罪する姿勢がない場合は、今後の事について考え直した方が良いかもしれません。
夫婦としてよりよい関係を続けていきたいのであれば、まずはしっかりとお互いが納得するまで話し合う事が重要です。

腹が立っていても少しの優しさを

夫の浮気が発覚した場合、一番傷つくのは妻です。
話しかけられても無視したくなりますし、ご飯を作ったり洗濯をしてあげたりするのも嫌になるでしょう。
ただ、夫は夫で反省している場合が殆ど。
人間誰でも失敗します。
反省が見えるようであれば、いつまでも引きずらず少しだけで良いので優しくしてあげましょう。
居心地の悪い家だと帰りたくなくなりますよね。
不倫の再発を防ぐためには、早く帰りたいと思えるような居心地の良い家庭環境を作る事が大切です。
不倫をされた側としては、なぜ被害者である自分が優しくしなければならないのか分からないという感情になるでしょう。
しかし、これからも夫婦関係を続けていくと決めた以上は、不倫をされた側であっても多少の努力をしないとうまくいきません。

いつでも離婚できるよう資産を準備しておく

中々許せない、水に流せないという場合は、熟年離婚を計画したり、将来こっそり独立できる資産を貯めておくなどをしておきましょう。
夫のお金を自由には使いすぎず、日々の生活費をやりくりし貯金しておいたり、仕事を始め、収入を得て自分で自立できるようにするのもおすすめです。
いつでも自分から離婚したいと言い出せる状況にあるだけで、精神的にも安定します。



子供がいる場合は家族としての関係を大事にする

どうしても夫の事が許せず普通に接する事ができなくても、子供がいる場合、子供にはなんの罪もないので子供の前だけでは家族としての関係を良好にしておきましょう。
夫婦関係が悪いと、子供も気づき悪い影響を与えてしまいます。

少しの時間でもしっかり夫婦の会話をする

何より大事なのは夫婦のコミュニケーションです。
同じ空間で過ごすよう心がけ、少しづつでも良いので日頃からコミュニケーションを取る事をおすすめします。
まずは、おはよう・ありがとう・ごめんなどをきちんと伝えるようにしてみましょう。
当たり前の事ですが、夫婦になると中々しない人も多いもの。
相手がやってくれた事に素直にお礼を言い、自分が悪い時は謝るなど意識してみましょう。
夫の不倫、それは信用していた人に裏切られ大きな苦しみを受けます。
悪いのは夫ですが、それでも離婚しないと決めたなら、その後少しでもいい人生を送れるように意識してみて下さい。
時間は限りあるものではありません。
少しでも楽しく過ごせるよう、自分の人生は自分で切り開いていきましょう。
子供抜きで出かけてみたり、旅行に行って非日常的な体験を一緒にするのも効果的です。
夫婦になる前の新鮮な気持ちを思い出したり、普段見る事ができない夫の良いところを発見できるかもしれません。

ルールを決める

これからも今までと同じように暮らしていくと決めたのであれば、夫婦間で約束事やルールを作るのも良いでしょう。
ルールを作る事でしてはいけない事などが明確になります。
一度不倫をされると、当然ながら夫に対して疑心暗鬼になってしまいますよね。
もう二度と不倫をしないという約束や、もし次にもう一度不倫をした時には必ず離婚すると決めておく事が有効です。
また、連絡を取り合う場面や頻度、出かける頻度や場所・帰宅時間を連絡したりするなどをルール化しておくと不安にならずに済むでしょう。
ただし、ルールを作りすぎて夫を縛り付けると息苦しさを感じ、逃げ出したい気持ちになるため、ある程度は夫を信じる事も大切です。

まとめ

夫に浮気・不倫されたら離婚するという選択肢しかないようについ考えてしまいがちですよね。
しかし、離婚するかしないかは今後の自分の人生を左右するものとなるため、冷静になって一度考えてみる事も必要です。
ご紹介したように、離婚すると、子供が傷ついたり経済面や将来の不安などデメリットもあります。
また、離婚しない事を選択した場合にメリットもあります。
別居などをしてワンクッション入れるのもありですし、自分と子供がいるようであれば子供にとって何が最善なのかしっかり考えてより良い将来を作っていくようにしましょう。