デートDVの定義とは?彼氏の言動を振り返って診断してみよう

「好きならできるだろ!」「応じないのは好きじゃないからだ」

このような言葉で彼氏から何かを強要されて、辛い気持ちを抱えていませんか?

彼氏は「当たり前だ」「皆そうだ」と言うでしょうが、もしかしたデートDVかもしれません。

デートDVをする男性程、彼女を周囲から孤立させて自分だけの世界へ引き込み、思考をマヒさせて自分の思い通りにしようとするんですよ。

自分の身を守るためにも、デートDVについて正しい知識を身につけるべき。今回は、デートDVの定義と、あなたがデートDVを受けているかどうかを診断できるチェック項目を紹介します。

デートDVの定義とは?

デートDVとは、交際中のカップル間で行われる暴力を意味します。暴力と聞くと、殴る蹴るといった行為をイメージするかもしれませんが、それ以外にも暴力はあるのです。

しかし、暴力の線引きは人によって違います。特にデートDVを行う男性は、本気で「これは愛情表現だ」と思い込んでいる傾向が強く、被害者の女性は「自分が至らないのが悪い」と自分を責めるケースが多いです。

閉鎖された空間で正しい認知が難しくなり、辛いのに逃げ出せない心理に陥りやくなります。

では、世間的にはどこまでが「暴力」と認識されるのでしょうか。内閣府男女共同参画局が平成29年に行った「男女間における暴力に関する調査」では、夫婦間で暴力と認識される行為について、以下のような結果が出ています。

「夫婦間で行われた場合に「暴力」にあたると思うか?」(「どんな場合でも暴力にあたると思う」の回答割合)

・平手で打つ:72.4%

・足でける:85.0%

・身体を傷つける可能性のある物でなぐる:93.2%

・なぐるふりをして、おどす:60.5%

・刃物などを突きつけて、おどす:60.5%

・大声でどなる:39.5%

・他の異性との会話を許さない:47.3%

・交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視する:55.2%

・即場に行くことを妨害したり、外出先を制限する:68.8%

・何を言っても長時間無視し続ける:57.3%

・「誰のおかげで生活できるんだ」とか、「甲斐性なし」と言う:63.1%

・家計に必要な生活費を渡さない:68.2%

・嫌がっているのに性的な行為を強要する:77.3%

・避妊に協力しない:67.4%

出典:内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査(平成29年度)」

項目によって暴力かどうかの認識度に大きな差が見られますよね。また、どの回答も100%ではなく、中には「暴力ではない」と回答した人もいるのです。

しかし、上記の項目は全てDVに相当する行為と定義されています。そして、夫婦間ではなく交際中のカップルの間で上記の行為が行われれば、デートDVになっている可能性が高くなります。

デートDV診断【彼氏の言動を振り返ろう】

内閣府男女共同参画局では、デートDVの暴力を4項目に分けて、どのような行為が相当するのかをHPに掲載しています。

項目別にデートDVについて詳しく解説しますので、当てはまる項目がないか診断しながら読んでくださいね。

精神的な暴力のデートDV診断

・大声で怒鳴る・バカにする

・交友関係を制限する

・無視をする

・行動を監視・制限する

・メールなどをチェックする等

引用:http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/date_dv/batterer.html

精神的な暴力とは、罵倒などをして精神的苦痛を与えたり、自分に都合良く相手を洗脳したり、行動を制限して社会から断絶したりする行為です。

・「おまえは本当にダメなやつだ」

・「おまえみたいな女を好きになるのはオレくらいだ」

・「好きならオレ以外と関わらずオレだけを見ていろ」

・「後ろめたいことがなければスマホを見られても構わないだろ」

上記のような言葉で女性を精神的に圧迫し、自分の思い通りにしようとするのです。周囲から断絶された女性は、交際相手の言葉に支配されて、自分がデートDVを受けていることに気付きづらくなります。

あなたは彼氏から、上記のような言動を受けていませんか?

身体的な暴力のデートDV診断

・殴る・たたく・蹴る

・胸をつかむ・ひねる

・髪を引っ張る

・物を投げつける

・刃物などを突きつける等

引用:http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/date_dv/batterer.html

身体的な暴力は、最もわかりやすいデートDVです。しかし、デートDVを行う男性は、暴力後に人が変わったように彼女に謝罪し、優しく介抱することが多いです。そして「2度と暴力をしない」とすがりつきます。

交際していれば彼氏への情が芽生えますから、女性は「きっと約束を守ってくれるだろう」と許してしまいます。しかし、1度目の暴力を許すと、多くは暴力がエスカレートしていき、深刻なデートDVに発展します。その内思考はマヒして「きっと自分も悪いんだ」と考え始め、益々デートDVは密室化し酷くなっていきます。

あなたは彼氏から身体的暴力を受けたことはありませんか?

経済的な暴力のデートDV診断

・デート費用を全く払わない

・借りたお金を返さない

・外で働かせない・仕事を辞めさせる

・生活費を渡さない

・貯金を勝手に使う等

引用:http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/date_dv/batterer.html

経済的DVは、同棲していなくても行われる可能性があります。例えば、いわゆる「ヒモ」と呼ばれるような経済的に女性に頼る男性も、経済的デートDV者と言えるのです。

「好きだから一緒にいたい」「自分の方がお金を持っているから払っても良い」と納得しているようで、実は男性が巧みにあなたの心理をコントロールしている可能性も考えられます。

「お金より愛の方が大切」という考え方は非常に危険です。男性は本気で好きな女性の前では、「良い自分を見せたい」「がんばって守ってあげたい」と考えるものです。時にはおごったりおごられたりがあるでしょうが、一方的な関係は何かが歪んでいます。

都合良くお金を引っ張ったり、経済的に断絶してあなたを社会から隔離しようとしたりする行為は、経済的デートDVなのです。

あなたに思い当たる節はありませんか?

性的な暴力のデートDV診断

・性行為を強要する

・避妊に協力しない

・見たくないポルノビデオ等を見せる

・嫌がっているのに裸等を撮影する

・中絶を強要する等

引用:http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/date_dv/batterer.html

交際すればセックスに至るのは自然なことですが、相手の合意なしに行われる性的行為は暴力であり、デートDVに相当します。

しかし、本当はイヤなのに「応じるのが愛情の証」と考えてしまう女性は少なくありません。彼氏に「好きならできるだろ」と言われると、嫌われたくなくて応じてしまうのです。だけど、あなたを本当に大切に思っている男性は、嫌がることを強要しません。

性的な行為は密室で行われ、また周囲に相談もし辛いため、本人も周囲も気付きづらい現実があります。

あなたは彼氏から性的行為を強要されていないと言い切れますか?

診断したらデートDVかも…と思ったら勇気を出して相談しよう

デートDV診断内容を見て、「もしかして、自分はデートDVを受けているかも…」と思ったら、どうか勇気を出して相談してください。

家族や友人だけではなく、デートDVを取り扱う相談機関もあります。自治体に相談窓口を問い合わせてみましょう。