同居はよく考えて決断すべき!?夫の両親と一緒に住むメリットとデメリット

結婚して新しい住居を構える際に、「義両親との同居」という選択を選ぶ人もいます。

理由としては、親の病気やケガなど体調面の心配、いずれ介護が必要になる時のために対応したいというものや、共働きのため家事や子育てをサポートしてもらいたい、家計が助かるといったものがあります。

しかし、いざ現実問題となると、結婚をして夫と2人の生活がスタートするだけでも慣れるまでに時間を要するのに、夫の実家で義両親との同居となると、倍以上の気力が必要なのでは?と思いますよね。

実際はどうなのでしょうか?

今回は、夫の両親と同居するメリットとデメリット、同居を成功させるコツなどについてご紹介します。



同居の種類

同居とは、家族が一緒に生活する事を言います。
親や義両親との同居など様々な種類がありまので、簡単に同居の種類やスタイルからお伝えしていきます。

同居の種類

現在の同居の種類には、主に2種類あります。

①2世代同居
世帯主・世帯主の子など2つの世代が一緒に同居する事

②3世代同居
世帯主・世帯主の子・世帯主の孫など3つの世代が一緒に同居する事

三世代同居というと、昔はどこにでもある日本の家庭のスタイルでしたが、近年は核家族世帯の増えあまり見かけなくなりましたよね。

今回は、こちらの2世代同居・3世代同居のメリットやデメリットをお伝えしていきます。

同居のスタイル

ここでいう「同居」には、主に3タイプの同居スタイルが考えられます。

①完全分離同居
同じ建物で暮らしても、1階と2階など上下階や左右でメゾネットのように振り分けて親世帯・子世帯の住まいを完全に分離するタイプ。
世帯それぞれに、生活における全ての設備を持ちます。
同居ではありますが、お隣さんのようなイメージになります。
プライベートも守られ、生活リズムが違っても問題なく、お互いに気を使わずに生活できるのがメリットですが、設備を全て2つ造る必要があるため、費用とスペースは必要になるというデメリットがあります。


②部分共有型同居
玄関や水回りの設備を共有し、キッチンなどは世帯別に分けるのが部分共有型の同居です。
最近は、リビングやバルコニーなどを共有するケースもあります。
どの設備を共有・分離するかで費用が変わりますが、共有する部分が多いほど費用を抑えられます。
適度なプライバシーを保てる事がメリットですが、一度決定してしまうと後からの変更が難しいのがデメリットです。

③完全同居
寝室以外の全ての生活空間を共有するタイプ。
設備も1つで住むため費用が抑えられるのがメリットですが、プライバシーがなく、生活リズムが合わなかったり価値観の違いなどが大きいと、お互いストレスとなるデメリットがあります。


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夫の両親と同居するメリット


義実家で同居と聞くとマイナスなイメージばかり思い浮かびがちですが、実は良い事もあります!
前述したようの同居のスタイルによっても変わってきますが、まずは、夫の実家に住む事のメリットを見ていきましょう。

 ①家計の負担が減る
 ②コミュニケーションが増える

 ③子育てのアドバイスがもらえる
 ④ゆくゆくは家を自分達の資産にできる
 ⑤義両親の体調を常に把握できる
 ⑥家事・育児を手伝ってもらえる
 ⑦仕事に割ける時間が多くなる



家計の負担が減る

賃貸でない場合は家賃を払う必要がない事がほとんど。
もちろん光熱費や食費などある程度お金を入れる事は必要ですが、家系で一番大きな家賃を払わずに住むというのは最大のメリットです。
また、一般的に水道光熱費は基本料金+使用量で料金が決まる事がほとんどです。
そのため、人数が増えても基本料金は変わらず、使用料金の部分が増える事が多くなります。
もちろん人数が増えれば使用料は増えますが、同居する親に何割か負担してもらえれば、負担は軽くなるはず。
子供が生まれると何かとお金がかかるので、夫婦での貯金も進みます。

コミュニケーションが増える

結婚して家を出ると、親に会う機会は減っていきます。
しかし、一緒に住めば、話す機会が増えるため家族の絆も深まるでしょう。
家族のお誕生日や季節ごとのイベントなども、みんなで祝えばさらににぎやかで楽しい思い出になります。
また子供ができた場合、祖父母が近くにいる事で親とは違う価値観や考えを育む事ができます。
異世代間でのコミュニケーション能力をつける事は、今後社会に出た際にも大いに役立つでしょう。

子育てのアドバイスがもらえる

特に第一子の際には、些細な事に不安を感じたり、少し体調を崩すだけでも心配になってしまうものです。
子育ての大先輩である祖父母が近くにいる事で、子育ての悩みや不安に対するアドバイスをもらえる事もあります。
他にも、親だけでは気づかない子どもの成長や個性を見つけてもらえるなど様々なメリットがあります。

ゆくゆくは家を自分達の資産にできる

のちのち義両親がいなくなった時、家という資産を自分達の自由に使えるところも大きなポイントです。
賃貸にして家賃収入を得ても良いですし、家を売ってそのお金で新たな家を購入するのもアリ。
自分達でお金を出していないのに、将来的に資産になる事はメリットですね。

義両親の体調を常に把握できる

毎日一緒に生活する事で、義両親の体調を常に把握でき、体調に変化があった時に早く気づけます。
さらに、急な体調不良の際に病院に連れていったり、救急車を呼ぶなどの対応もすぐにできます。
夫の実家に住む事、それ自体が旦那のご両親へは親孝行になります。
年を取ってくると、自分の息子が一緒にいてくれる事はとても心強い事でしょう。
夫からしても高齢になった両親をそばで見ていられるので安心かもしれません。

家事・育児を手伝ってもらえる

共働き夫婦が増えている今、夫婦で家事や育児を分担しなければなりません。
子供が生まれると想像以上に大変です。
しかし、実際は女性の方が時短勤務するなど負担が大きくなっている現実があります。
実家に住む事で、義両親が洗濯や掃除、料理を作ってくれるなどの家事をしてくれたり、子供の相手をしてくれるなど育児を手伝ってくれる可能性がありますので、家事・育児の負担が軽減されるでしょう。

仕事に割ける時間が多くなる

前述したように、実家に住む事で夫だけでなく義両親とも家事を分担できるので、一人当たりが担当する家事の時間が圧倒的に少なくなり、その分自分の時間や仕事に割ける時間が多くなります。
また、仕事が延びて保育園や幼稚園のお迎えに間に合わなそうな時でも、代わりに行ってもらえたり、体調を崩した時に早退せず済み会社に迷惑がかからないといった事もあるでしょう。
そういった面で精神的な負担も減ります。
結婚してからも仕事を続けたい・キャリアを積みたいと思っている女性にはとてもメリットになります。

旦那の実家に住むデメリット

旦那の実家に住むメリットをお伝えしましたが、同居となるとやはり最も気になるのは嫁姑問題ですよね。
しかし、それ以外にもデメリットはあるんです。
続いては、旦那の両親と同居するデメリットをお伝えしていきます。

 ①嫁姑関係で悩む
 ②常に気を遣う

 ③プライバシーが確保しづらい
 ④価値観の違いがストレスになる
 ⑤生活リズムが異なる
 ⑥好きなインテリアを揃えられない
 ⑦夫とスキンシップが取りづらい


嫁姑関係で悩む

嫁姑関係は世界共通の問題です。
相性が良く、姑が嫁を本当の娘のように可愛がるパターンもありますが、相対的に見ると残念ながら多くありません。
実際は自分の息子が1番ですので、中にはテレビドラマで出てくるようなイビリをしてくる姑もいます。

姑からすると

・私がお嫁に来た時は、もっと酷い事されていた
・息子の嫁としてきちんとしてもらわないと困る
・これぐらい嫁として出来て当たり前

などの思いがあって、お嫁さんに接する事があるそうです。

それらを受け入れられるのであれば何の問題もないのですが、おかしいと思いながらも「旦那の親だから」「同居させてもらっているんだから」と、我慢しないといけないというのはとてもストレスがかかります。
また、そこに輪をかけて夫が自分の見方をしてくれない場合は逃げ場がありません。
面倒くさがって嫁姑問題の仲介に入らない夫も多いので、そうなると一人で我慢をし続けるしかなくなってしまうのです。

プライバシーが確保しづらい

同居するスタイルにもよりますが、もし部分的に共有していたり完全同居の場合は、プライバシーの確保がしづらくなるでしょう。
二世代・三世代で暮らす楽しさがある一方で、それぞれの生活スペースに無断で入ったり触れられたくない話や生活に口を出してきたりなど感情を害する事や気疲れしてしまう事も増える可能性があります。
住宅の規模や間取りによっても変わってくるので、同居する際に生活スペースなどの間取りは工夫しておいた方が良いでしょう。

価値観の違いがストレスになる

年代が違えば、ライフスタイルや価値観が大きく異なる事があります。
一緒に過ごす時間が長くなるほど顕著に見えてくるものであり、特に、家事育児に関する事や金銭感覚、夫婦関係などで摩擦が起きやすくなります。
仕方のない部分ではありますが、親世代の常識を押し付けられたり、難しい要望を出されたり、自分たちで決めたルールや子育てに口を出されたりすると大きなストレスとなってしまう事も。
夫婦のどちらかが、親の味方になったり意見を尊重したりすると、関係が気まずくなってしまったりトラブルになったりしてしまう事もありますので、価値観を無理に押し付けたり、ルールには口を出さないなど決めておいた方が良いでしょう。

常に気を使う

夫婦だけで過ごす生活と、義両親が一緒の生活では気の使い方が大きく変わってきます。
自分たちで自由に決める事が難しく、お風呂の掃除の仕方や入る順番、ご飯の内容から食器片付け、洗濯のやり方など義実家となるべく合わせなければなりません。
そして常に義両親の目を気にしながら生活をしなければなりません。
たまには、テレビでも見ながらダラダラ過ごしたいと思ったり、家事は手を抜いて、夜ご飯はお惣菜を買ってこようと思っても中々そうはいきません。
生活をする上での最低限の「きちんと」は常に意識して行わなければならないのです。

生活のリズムが異なる

世代が違えと、生活スタイルや常識の違いも出てきます。
生活のリズムで最も異なるのが、起床や就寝の時間などです。
義両親世代は、朝早く起き、夜も早く寝る傾向にあります。
そのため、朝早くから物音で起きてしまったり、食事の時間が合わない、夜は音を立てないように気にしなけでばならないなどが出てきます。

逆に同じ時間帯に活動すればするで、台所や入浴の時間が重なって不便さを感じる事も。
また、台所やトイレ・浴室、玄関などが共有であれば、「綺麗に使ってない」「物が多い」といった点で揉めてしまう事もあります。
同居する親子で一緒に生活のルールを決めるほか、こだわりのある生活スペースは共有せず世帯ごとに設けると、トラブル軽減につながります。

好きなインテリアを揃えられない

自分好みの家具やこだわったインテリアの空間で過ごす事は、快適で心が安らぎます。
家は心休まる場所として過ごしたいですよね。
しかし義実家で同居となると、住居のスタイルにもよりますが、義両親が一緒に住んでいるので、リフォームでもしない限り手を加える事はできません。
それが、自分も落ち着くインテリアであれば問題ありませんが、趣味が全く異なる場合は地獄でしょう。
毎日、自分が好みでない椅子に座り、テーブルで食事をしなければならないのです。
せめて自分たちの寝室だけは好きなようにアレンジしたいものですよね。

夫とスキンシップが取りづらい

大好きな旦那さんと家でゆっくりくつろげる時間はとても貴重です。
リビングで一緒に映画を見たり、何をせずとも2人でソファに座ってゆっくりしたりなど、些細なことが幸せに感じられるもの。
そういう小さなスキンシップの積み重ねが、夫婦関係を良好にするものです。
しかし、それが義実家となると、義両親の目が気になりスキンシップも減ってしまいがちです。
それが続くと、スキンシップをとる事が不自然になっていき、夫婦関係が冷めてしまうキッカケにもなりかねません。

夫の両親との同居を成功させる4つのコツ

夫の両親と同居するメリット・デメリットをご紹介しましたが、せっかく同居するのであればお互いに気落ち良く楽しく同居生活を送りたいですよね。

そのために、どんな事に気をつければ良いのかをご紹介します。

 ①プライベートには口を出さない
 ②最初にルール決めをしておく
 ③生活する上で大切にする事を理解しておく
 ④自分たちに合った住居スタイルを決める



プライベートには口を出さない

お互いに干渉しすぎず、適度な距離感を持って生活する事も非常に重要なポイントとなります。
関係性が良いからといって、プライベートな事に口出ししたりあまりに距離が近づきすぎてしまうと、どちらか、もしくはお互いにストレスになる可能性があります。
同居している間、良好な関係を続けていくためには、お互いの家族のプライベートにはあまり口出しせず干渉しすぎないようにしましょう。

最初にルールを決めておく

生活に関する事や、家事育児に関する事、将来的な介護の事などトラブルになりそうな事については、事前にルールを決めておきましょう。
特にお金に関する事は後々に揉める可能性があるため、しっかりと話し合っておくのがおすすめです。

生活する上で大切にする事を理解しておく

前述したように、年代が違うので生活リズムや価値観が異なるのは当然の事です。
急にお互いの生活リズムや価値観を変えるのは非常に難しいでしょう。
キッチンの使い方や、洗濯の仕方、トイレや浴室の使い方や掃除の仕方などは違いも出やすいです。
また、生活をする上で何に時間を使い、どんな事を優先するのかもそれぞれ違います。

同居する以上はお互いの要望を全てかなえるのは難しいものです。
それぞれが大切にしたい事や、譲れない・譲れる部分など優先順位をつけて、お互いの違いや生活する上で大切にしている事をしっかり理解しておきましょう。

自分たちに合った住居スタイルを決める

同居する場合、様々な住居のスタイルがある事をご紹介しましたが、どの程度の生活スペースを共有するかによって、生活も変わってきます。
お互いのプライバシーを大切にしたいなら完全分離型の二世帯住宅、一緒の生活の両方を楽しみたいなら一部を共有し、もしくは完全に全ての空間を一緒にする二世帯住宅が向いているでしょう。
ただし、元からある夫の家に同居となった場合は、完全同居型になりますので、予め夫婦間・義両親間でしっかり話し合いルールを決めておく事が大切です。


まとめ

親と同居する目的の多くは、親の健康の把握、家事や子育てへの支援、経済面・金銭面での支援などなど。
メリットがある一方で、生活リズムの違いや価値観の違いなどでお互いにストレスを溜め込んでしまう結果となる事も少なくありません。
夫の両親と同居するメリット・デメリットは紙一重なところもありますが、夫婦間・家族間で何を大切にしていきたいか、どういう関係を築いていきたいかを夫婦で話す事が、まず大切な第一歩です。

そしてお互いの違いを理解し干渉しすぎないようにする事が重要です。
同居は思った以上に大変な事も多いと思いますが、お互いに思いやる気持ちを持てば、気持ち良く暮らしていく事ができるでしょう。

まずは夫婦で良く話し合い、後悔のない決断をしましょう。